前回『水蜜桃のコンポート』でお世話になった内布さん。
【切り上げ剪定】という従来の剪定方法と真逆の処方を行い、植物ホルモンを活性化させ、植物自体が元気になることによって果実本来の旨味を引き出す、という栽培方法が内布さんのこだわり。
届けていただいたのは、葡萄から種を取り除く『ジベレリン処理』を4月にたった一回だけ行ったもの。
そのため、通常の処理を行ったものよりも実が小さめで、時折種の混じる実もあるけれど、そのぶん糖度が高く、旨味溢れる果実になるのだそうです。
その、完熟したものだけを見極め、手選別で収穫した極上品が今回の2種。
いかがでしょう?
艶やかで美しい、美味しそうな葡萄たち。
左の紫のものが『ピオーネ』。別名「黒い真珠」 とも呼ばれる、大粒でありながら実が詰まり、強い甘みとすっきりとした味わいを兼ね備えた高級品種。
右の緑のものが『ハニービーナス』。糖度が20を超える酸味の少ない品種で、皮ごとぱくっと食べられます。
今回は、各々を使って別々のお茶請けをご用意致します。
まずは紫の『ピオーネ』から。
『葡萄のプリザーブ』
昨年も好評だった葡萄のプリザーブ。
果肉の形をそのまま残したプリザーブスタイルで再登場です。
一粒一粒丁寧に皮をむき、じっくり煮込んで作りました。
もちろんポリフェノール満載の皮は捨ててしまわずに、ミキサーにかけて一緒にことこと。
文字通り、葡萄を丸ごと使ったプリザーブです。
風味付けに赤ワインも使い、ちょっぴり大人の味わい。
スコーンと一緒に提供の他、ソーダ割りの『葡萄のしゅわしゅわ』も絶品です♪
続いて緑の『ハニービーナス』。
『葡萄の雫餅』

ピオーネが洋菓子だったので、こちらは和菓子にしてみました。
生の葡萄を皮付きで、丸ごと求肥で包み、甘さ控えめのてんさい糖をまぶした雫餅。
餅菓子というと、あんこと組み合わせるイメージが強いですが、フレッシュフルーツとの相性も抜群。
中身はこんな感じです。

美しいグリーン。
もちもちの求肥の中から、ぷちっと皮を突き破って溢れる葡萄の果汁がじゅわっと口腔を満たします。
てんさい糖のほのかな甘みも効いて、ひとくち食べるだけでもう至福。
こんな美味しさもあったのか!と、目から鱗の感動体験が得られること間違いなしです。
緑茶と合わせるのも良いですが、台湾の凍頂烏龍茶や高山茶とも相性ぴったり。
紅茶ならダージリン1stフラッシュや、真逆にアッサム2ndフラッシュも美味しそうです。
甘露餅は葡萄が無くなり次第終了になります。
熊本からはるばる届いた美味しい旬の葡萄。
気になる方は、お早めにどうぞ。
以上、無花果に続く秋の甘味第二弾。
農薬の影響を受けない葡萄だからこそできる、皮ごと使用したお茶請け。
紫のピオーネ『葡萄のプリザーブ』、緑のハニービーナス『葡萄の雫餅』。
美味しくお楽しみいただけると幸甚です。