台湾より、甘ーい香りの”金萱茶”を2種類入荷致しました。
『凍頂烏龍茶 金萱・四年熟成』民国97年
茶師:林桓渝
販売:1,260円/25g 喫茶:780円(ピッチャー) 1,155円(台湾茶式)『文山包種 金萱・一年熟成』民国100年冬茶
茶師:蘇志成
販売:1,050円/25g 1890円/50g 喫茶:735円(ピッチャー) 980円(台湾茶式)一般的に『金萱茶』という名前で呼ばれる烏龍茶は、『金萱種(品種名)で作られた烏龍茶』のことで、それを称して『金萱茶』と呼びます。
なので、『凍頂烏龍茶 金萱茶』『文山包種 金萱茶』『阿里山高山茶 金萱茶』などのように『●●● 金萱茶』という表記が、より正確です。
金萱種の特徴は、なんといってもミルクの様な甘い香り。
そしてふくよかで、すべてを包み込んでくれる様なまろやかな甘みです。
お茶を飲み干した後にふわりと残る優雅な余韻には、心癒されるほど。
お茶の葉の力だけで、得も言われぬ甘露な味わいをもたらすことに、いつも驚かされます。
残念なことに、近年ではその人気から、フレーバリングを施した金萱茶が出回るようになってきました。
ミルクというよりはバニラの様なキツイ香りの物が多い様です。
今回入荷した二つの金萱茶は、もちろん余計な手を加えていない、本物の金萱茶。
自然で美しい味わいは、着香されたお茶と比べることのできない、気高さがあります。
まずご紹介は
『凍頂烏龍茶 金萱・四年熟成』。

日本でも有名な凍頂烏龍茶。
昔は焙煎を施して作られていたお茶ですが、近年では焙煎は施さず、『清香』と呼ばれる澄んだ青い香りと、花の香りを放つ烏龍茶として人気を博しています。
この『凍頂烏龍茶 金萱・四年熟成』もその清香タイプの凍頂烏龍茶です。
名前に『〜四年熟成』と入れましたが、このお茶が作られたのは民国97年。
西暦では2008年に作られたお茶です。
台湾茶は実は作られてから約半年ほどの熟成で、甘味・香りが増し飲み頃になります。
出来立てのお茶にしかない爽やかな風味も捨てがたいですが、甘味に関してはまず間違いなく熟成した方が強くなります。
このお茶は4年の歳月をかけ、味・香りが増すと共に、味わいに丸みを帯び、とろける様な飲み心地のお茶へと昇華しました。

輝く様な美しい茶液。
お茶を口にする前から、既に艶やかな香りが漂っています。
口当たりには一切の角がなく、フルーティでありながら、とろりと舌の上を滑ってゆきます。
そしてその香り、甘味は濃厚なミルキーさがあり、これぞ金萱茶!
また凍頂烏龍茶らしい花の香りと相まって、美しいブーケに囲まれているような気分になってきます。
煎を重ねてもその味わいは衰えず、いつまでも瑞々しいまま。
この華やかさはきっと女性ならお気に召すのではないでしょうか?
続いて
『文山包種 金萱・一年熟成』です。

このお茶は民国100年(2011年)の冬茶。
台湾は主に春茶、冬茶のふたつの旬があります。
お茶や作りによって異なりますが、爽やかな春茶。
艶やかな冬茶、というのが私の印象。
冬茶の方が味わいや香りに艶やかさがあり、特に口に残る甘い香りは格別です。
つい先日まで民国101年(2012年)の春茶があったのですが、そちらは高級品種である青心烏龍種を思わせる、心地よい青い香りの強い逸品でした。
対してこちらは、より金萱キャラクターを色濃く前面に押し出した作り。

水色は凍頂烏龍茶に比べ、より明るい翡翠色。
元々ジャスミンを思わせる澄んだ花の香りと清香が特徴の文山包種。
茶液からも縦にすっと伸びてゆく清らかな香りが立ち上ります。
味わいにはすっきりとした青い香りが芯にあり、それを包むように瑞々しい甘味を感じます。
この決して重たく感じさせない清々しさこそが、文山包種の魅力。
そして金萱らしい特徴は、余韻にはっきりと表れます。
口いっぱいにふわっと広がるミルキーな香り。
それがゆっくりとゆっくりと鼻の奥へと抜けてゆき、一呼吸するごとに心に優しく染み渡ってゆきます。
煎を重ねて飲むごとに、リフレッシュされることを実感出来ます。
のんびりと癒されたいときはもちろん、お仕事や勉強中に飲むのもお勧めの一品です。
以上、金萱茶2種の紹介でした。
最近は焙煎を施した、大陸産の濃厚な烏龍茶が新茶で続きましたが、今回は一芯二葉が得意とする台湾茶です。
安らぎのひとときに、是非お楽しみいただければと思います。